計画的偶発性の自己怪事
【第20回:出前授業】
「1級キャリアコンサルティング技能士の大井宗太郎が人生を振返る中で見つけたキャリアサンプル」を不定期にお届けするコラムです。
職業を超えて、ボランティアという“もう一つの仕事”――産業カウンセラーたちが続ける、人権活動。
ボランティアで取り組んでいる「デートDV防止せたがやネットワーク」の活動でS女子大に出前授業に行ってきました。これまでも中学・高校・短大・大学で行ってきましたが、私は久しぶりの参加です。6人のメンバーで男性は私のみ。今回は4名で出向き、学生は70名弱の参加でした。
実は、私の娘は高校生の頃、デートDVの被害者となり、私は被害者の父親という立場です。今回は、被害者の父親として、当時の状況と、私がとった行動、警察による介入と逮捕、家裁への送致。そして娘の命を救えたという自負について話をしました。そのほか新メニューで、アクティブバイスタンダーについても私が解説しました。
授業後、学生の感想が送られてきました。父親の体験談がリアルで、とても参考になったという意見やアクティブバイスタンダーを自分も実践していきたいという意見も多く、我ながら喜びと達成感を味わうことができました。少しでも理解が広がり、女性を守ることができれば幸いです。
そもそものきっかけは、世田谷区が募集した「デートDV 防止講座のファシリテーター養成講座」の案内です。娘が中学生になり、彼氏ができた時、DV男じゃ困るから勉強してみるか、という動機で学びました。その時のメンバー6名で、ボランティア活動を続けてきました。後で知ったのですが、私も含めて5名が産業カウンセラーでした。相談業務に従事され、弱者の救済活動に尽力されている方々で、常に刺激を頂いています。それにしても本当にDV男と付き合うとは・・・。トホホの世界ですが、学んでいたので躊躇なく警察へ相談に出向き、数日で逮捕されました。その間の詳細については、またいつかお話しする機会があればその時に。現在、デートDVで悩まれている方はご連絡頂いて構いません。
今回の出前講座では、大学生ということもあり、撮影罪(性的姿態等撮影罪の略称)など法改正についてもレクチャー。世間を賑す性暴力についてや同意のないセックスは性暴力、避妊をしないセックスは性暴力というあたりを強調しました。出席率の低い私でも一人のメンバーとして、大切にして頂き、感謝しています。ありがとうございます。
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